現在では一般に「春の七草」と書かれますが、元々の「七草」は秋の七草を指し、小正月1月15日のものは「七種」と書いていました。
ただ、この七種も「ななくさ」と読むことから、7日正月のものも七草と書くなどしていくうちに、元々の意味がわからなくなり、風習だけが形式として残っていったようです。
そして、人日の節句の風習と小正月の風習も混ざり、1月7日に「七草粥」が食べられるようになったと考えられています。
春の七種(七草)とは
現在言われている春の七草の種類は、1362年頃に書かれたという『河海抄(かかいしょう)』という文献に見られます。
覚えかたとしては以下のものがよく言われています
「せり なずな ごぎょう はこ(く)べら ほとけのざ すずな すずしろ これぞななくさ」
七草にはこんな意味もあります。
セリ(競り勝つ)
ナズナ(なでて汚れをはらう)
ゴギョウ (仏体)
ハコベラ (繁栄がはびこる)
ホトケノザ (仏の安座)
スズナ (神様を呼ぶ鈴)
スズシロ (汚れのない純白さ)
| よみ | 漢字 | 現在の名称 | 英語名 | 種類 | 説明 |
|---|---|---|---|---|---|
| せり | 芹 | セリ | Water dropwort | セリ科 | 若菜は香りが良く、お浸しなどの食用に。 |
| なずな | 薺 | ナズナ(ぺんぺん草) | Shepherd’s Purse | アブラナ科 | 「ナズナ」の別名は「ペンペングサ」「シャミセングサ」。 |
| ごぎょう | 御形 | ハハコグサ(母子草) | Cudweed | キク科 | 「ゴギョウ」は「ハハコグサ(母子草)」のこと。「オギョウ」とも。 |
| はこべら | 繁縷 | ハコベ(蘩蔞) | chickweed | ナデシコ科 | 「ハコベ」のこと。 |
| ほとけのざ | 仏の座 | コオニタビラコ(小鬼田平子) | Nipplewort | キク科 | 現在の「ホトケノザ」ではなく、「タビラコ(田平子)」を指す。「ホトケノザ」は「シソ科」だが、「タビラコは「キク科」。 |
| すずな | 菘・鈴菜 | カブ(蕪) | Turnip | アブラナ科 | 「カブ(蕪)」のこと。 |
| すずしろ | 蘿蔔・清白 | ダイコン(大根) | Radish | アブラナ科 | 「スズシロナ」の略で、「ダイコン(大根)」のこと。 |
