菱葩餅（通称：花びら餅）

菱葩餅（ひしはなびらもち）は、ごぼうと白味噌餡とピンク色の餅を、餅もしくは求肥で包んだ和菓子です。
通称、花びら餅といいます。

生い立ち

平安時代の新年行事「歯固めの儀式」を簡略化したもので、600年にわたり宮中のおせち料理の一つと考えられてきました。

歯固めの儀式では長寿を願い、餅の上に赤い菱餅を敷き、その上に猪肉や大根、鮎の塩漬け、瓜などをのせて食べていましたが、だんだん簡略化され、餅の中に食品を包んだもの（宮中雑煮とよばれた）を、公家に配るようになりました。
さらには鮎はごぼうに、雑煮は餅と味噌餡でかたどったものとなりました。

菱葩餅は、もともと、宮中に菓子を納めていた川端道喜のみが作ることが許される菓子でした。

明治時代に裏千家家元十一世玄々斎が初釜のときに使うことを許可され、新年のお菓子として使われるようになり、全国の和菓子屋でも作られるようになりました。

当初はごぼうが2本でしたが、現在では1本のものが主流です。

私は京都の裏千家学園にいた頃に一度、川端道喜の菱葩餅を食べたことがあります。

川端道喜製の菱葩餅はとても繊細な色合いで、餡がこぼれ落ちるくらいにやわらかで、ゴボウもびっくりするくらい大きいかった覚えがあります。

とてもおいしくて、なにより食べるととっても幸せなおめでたい気分になります。

機会があったらぜひ食べてみてください。

2013年は、東京の和菓子屋で購入しました。