7783造形作家、 夢童由里子先生に「モノづくり、まちづくり、夢づくり ~ 新たな「公」が主役」と題したお話しを伺いました。
余談:到着
今回は、夫婦、娘と3人で聞きに行きました。
結婚記念日のお祝いもかねて数日前から京都入りしていたので、朝は余裕をもって行けました。
先生の略歴
もともと京都出身で、現在は名古屋に住み、活躍されています。
なぜまったくつてのない名古屋を活躍の場にされたかというと、絵を描く修行をしていた2回生くらいの時に、中央アルプスを描こうと名古屋に初めていったのだそうです。
その時、遠い親戚が観光案内で100m道路などを見せてくれ、それらが子供たちのために行政が作ったものだと知り、これだけのことをする名古屋に感動したのがきっかけだそうです。
どういう活動をされているのか
歴史を背景にしたからくり人形や童の姿をした神のような存在のモニュメントの制作。
これらの多くは、コンピュータ制御で、衣装から何からすべて手作りのため、お話をいただいてから完成まで2年くらいかかるそうです。
石屋さんと組んだりすることもある。職人でもあり、営業でもある。
そういう経験を通して、近年では総合プロデュースや企画等の仕事も多くなってきたそうです。
過去の主な作品
作ったからくりでは170cmが最大。
モニュメント全体では10m。
– 東京 銀座。「悠久の翔」という名のブロンズとコンクリートレリーフのからくり作品
– 長野 諏訪。カップルが手を出すと音が出るからくり作品
– 刈谷のハイウェイオアシス(先日行ったのに、気づかなかった…)
– 名古屋万博 「日本の塔、月」という名の10mのモニュメント。
– JR東海高島屋にコンピュータ制御のからくり人形、ブロンズ像とモニュメント
どんな作品でも、その土地でかわいがってもらえるように必ず入魂式をするそうです。
名古屋城の復元
現在は、モニュメント制作中に深く名古屋の歴史に触れ、名古屋城の復元に尽力されています。
かつてパリで自身の展覧会をした際に、自分の足元を知らないと国際社会では半人前で、歴史を学ぶことの大切さを痛感したそうです。
幸か不幸か、名古屋城には正確な図面が残っているので、逆になかなか復元が進まないそうです。
復元作業というのは、日本画の技術に必要な匠の技が継承される貴重な場。
当時のニカワはどうだったとか、後世に伝えるため、人が技術を継承するためによい場なのです。
行政を動かす企画力
最初、スーツ姿で本丸御殿を復元してくださいと行政に行ったが、相手にされなかったそうです。
そこで、もうちょっと人目につく方法で民間にうったえられないだろうか、と考え、「春姫道中」というのをやって行政を驚かせることにしたのだそうです。
名古屋城に目を向けてほしいから道中を企画するとは!
こんなことをプロデュースする行動力、実行力がすごいと思いました。
お話を伺っていると、発想が職人というより商売人な感じで、、こういう商売っ気な面は、これからの職人さんにも必要な気がしました。
余談:途中退場
残念ながら、この日、私たちは記念日の昼食会の予約を入れていたので、終了ぎりぎりで途中退場しました。
お弁当も食べながらのお話もできず、お茶会にも行けず。残念でした。
色々考えさせられる回でしたが、職人でも、このくらい自己プロデュースや企画行動のできる人になっていくことの必要性を私は感じて、とても有意義な講演だったと思いました。

